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男女共同参画・
少子化

Gender equality,
the declining birthrate

男女共同参画・少子化 男女共同参画・少子化

顕彰結果

平成30年度男女共同参画・少子化関連研究活動の支援に関する顕彰事業

2018.12.07

第9回 男女共同参画・少子化に関する研究活動の支援、並びにこれに関する顕彰事業選考結果について

当基金の選考委員会の結果に基づき、受賞者を決定いたしました。
本顕彰事業は、男女共同参画社会の推進、並びに少子化対策が、わが国の健全なる発展に極めて重要であるとの基本認識に立ち、若手研究者等の研究・活動の一層の推進を目指すことを目的としております。

1. 顕彰の趣旨

本顕彰事業は、男女共同参画社会の推進、並びに少子化対策が、わが国の健全なる発展に極めて重要であるとの基本認識に立ち、若手研究者等の研究・活動の一層の推進を目指すものです。

2. 選考委員

(1)    恵泉女学園大学 学長 大日向 雅美氏
(2)    お茶の水女子大学 基幹研究院 人間科学系 教授 学長補佐 永瀬 伸子氏
(3)    中京大学 現代社会学部 教授 松田 茂樹氏
(4)    公益社団法人 程ヶ谷基金 理事長 相原 元八郎

3. 選考結果

(1) 論文部門

①優秀賞
お茶の水女子大学 基幹研究院 研究員 郭 麗娟(かくれいけん)氏
「ポスト青年期を生きる高学歴独身女性たち-島根県と首都圏でのインタビュー調査をもとに-」
②奨励賞
お茶の水女子大学 基幹研究院 研究員 大森 美佐氏
「現代日本の若者はいかに「恋愛」しているのか-首都圏の高学歴・正規雇用者の場合-」
③奨励賞
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 研究員 高見 具広氏
「総合職女性の昇進意欲に関わる職務経験-性別職務分離の問題性の考察-」
(2) 活動部門

活動賞

①子育て応援カフェLOCO(代表 宮本 麻里氏)(滋賀県長浜市在)
「『子育て支援』『ママの社会復帰支援』等の子育てママ支援活動」
②産後ストレスケアリストの会(代表 沢村 保代氏)(滋賀県守山市在)
「『地域産後ケアサポーター連携』『産後ママ相談窓口』等の産後ママ支援活動」
③NPO法人Nプロジェクトひと・みち・まち(理事長 大坪 久美子氏)(富山県高岡市在)
「『DV防止の普及啓発と予防教育』『子どもたちに女性差別撤廃条約の中身を伝えるリーフレット』等の男女共同参画活動」
④特定非営利活動法人 棚田LOVER's(理事長 永菅 裕一氏)(兵庫県神崎郡在)
「『里山deふれ愛ませんか?』『地域資源を生かす親子の自然体験』等、棚田を利用した交流活動」
⑤特定非営利活動法人 NPOサポートセンター N女プロジェクト(代表 杉原 志保氏)(東京都港区在)
「『N女』を通じたソーシャルセクターで働く女性たちの普及啓発活動」

4. 顕彰者応募作品等の概要及び選考理由

(1) 論文部門

①優秀賞
お茶の水女子大学 基幹研究院 研究員 郭 麗娟氏
「ポスト青年期を生きる高学歴独身女性たち-島根県と首都圏でのインタビュー調査をもとに-」
(ア)応募作品等の概要
島根県松江市と首都圏に在住する4年制大学卒業以上20~30代の高学歴独身女性31名に反復的インタビュー調査を実施し、職業キャリアの展開、親との関係、結婚への期待等、ポスト青年期における移行の諸相を考察した。その結果、職業キャリアを分ける要因が地域移動と居住地による生活条件の差異であること、ライフコース展望は、状況に応じて職業キャリアを調整し、結婚・子育てを中心に置くスタイルに収斂する傾向にあること、「自立」観念が移行を通じて書き換えられていくことを指摘した。
(イ)選考理由
留学生であるハンディを抱えながらも、島根県と首都圏という対照的な地域特性を持つ地に住み、7年間に亘り丹念な半構造化インタビューを重ね、ポスト青年期における高学歴独身女性の移行の諸相を適切な表現で浮かび上がらせたことが高く評価された。
②奨励賞
お茶の水女子大学 基幹研究院 研究員 大森 美佐氏
「現代日本の若者はいかに「恋愛」しているのか-首都圏の高学歴・正規雇用者の場合-」
(ア)応募作品等の概要
現代の高学歴・正規雇用の20代男女に焦点を当て、かれらが「恋愛」をどのように意味づけ、「結婚」や「性」との関連をどのように認識しているのかを恋愛をめぐるコミュニケーションのあり様に注目して考察した。その結果、失敗や傷つくことを避ける合理的でリスク回避的なICTによるコミュニケーションが生じ、性関係においてもリスク回避のメンタリティをもつが、結婚年齢を意識し始めると「恋愛のための恋愛」から「結婚のための恋愛」へと意味づけが大きく書き換えられることを説いた。
(イ)選考理由
未婚化・晩婚化が叫ばれる現代において、ともすれば誤って伝えられる若者の恋愛像を丁寧なインタビューを通じたミクロレベルでの分析に基づき、合理的に活き活きと描写し、とりわけ難しいとされる「性」との関係にも取り組んだことが評価された。
③奨励賞
独立行政法人労働政策研究・研修機構 研究員 高見 具広氏
(ア)応募作品等の概要
職務経験の男女差が女性の昇進意欲にどのように関わっているのかを実証的に分析した作品。分析の結果、対外的な折衝等の基幹的職務の経験を多く積んだ女性ほど、自己の能力への自信を深め、それが昇進希望を育む土壌となっていること、総合職の女性が男性と同等の職務経験を積めるか否かは、その企業における男性の働き方即ち残業の多寡が関係することを導き、男性と同等の職務割当ての重要性を説いた。
(イ)選考理由
貴重な、大規模データを用いて、女性管理職の育成という社会的テーマを丁寧に分かりやすく分析している点が評価された。政策提言に結びつく作品であり、男性の働き方が実は女性の働き方にも影響しているという分析結果がユニークである。

(2) 活動部門

活動賞

①子育て応援カフェLOCO(代表 宮本 麻里氏)(滋賀県長浜市在)
(ア)応募活動等の概要
『子育て支援』では、親子教室・サークル活動・イベントプランなどを提供し、年間3,600組以上の親子が利用している。『ママの社会復帰支援』では、『LOCO Happy Woman Project』をはじめ、短時間パートやママインストラクター採用、ハンドメイド作家の商品委託販売、起業したい女性を応援するためのセミナー、交流会等を開催している。その他、就労を考えるための相談の場、求人情報の掲載等も実施している。
(イ)選考理由
開設当時子育てカフェが全くない地域で、事業経験のない主婦たちが一念発起して活動を開始し、短期間に長浜市や商工会議所など地域を巻き込み、クラウドファンディング等、新しいことに挑戦しており、高い行動力が評価された。
②産後ストレスケアリストの会(代表 沢村 保代氏)(滋賀県守山市在)
(ア)応募活動等の概要
産後、心や身体に不調を感じる女性が産後うつ・自殺・虐待に発展する可能性があることに着目し、地域で必要な産後ケアを提供する『地域産後ケアサポーター連携』と産後ママを孤立させない『産後ママ相談窓口』を主な活動内容とし、地域の専門家と産後ママをつなぐプラットフォームを運営している。『ママとベビーのためのおねむりカフェ』『パパのためのママサポ勉強会』『産後ママケアルーム』等も開催している。
(イ)選考理由
産後女性の孤立は深刻であり、大都市ベッドタウンにおいて身寄りのない産後女性ケアの重要性に着目し、心理士、睡眠専門家、理学療法士、福祉訪問美容師、アロマセラピスト等の幅広い専門家を束ねてプラットフォーム化したところが評価された。
③NPO法人Nプロジェクトひと・みち・まち(理事長 大坪 久美子氏)(富山県高岡市在)
(ア)応募活動等の概要
地域における持続可能な社会(共生)をめざし、人権を守る『DV防止の普及啓発と予防教育』、幼少期から男女による行動の制限をなくし、自分らしさを大切に生きる『子どもたちに女性差別撤廃条約の中身を伝えるリーフレット』の制作、歴史を学ぶ『女性史プロジェクト』の他、『自転車を活用できるまちづくりプロジェクト』『みんなの力を活かす地域防災プロジェクト』等の男女共同参画活動を行っている。
(イ)選考理由
富山県高岡市という地域に根差し、市民レベルから10年以上の長期に亘って継続的な男女共同参画活動をしている点は貴重である。また、男性参加率の高い『地域防災プロジェクト』等の新しい取り組みを行っている点も評価された。
④特定非営利活動法人 棚田LOVER's(理事長 永菅 裕一氏)(兵庫県神崎郡在)
(ア)応募活動等の概要
『里山deふれ愛ませんか?』という棚田をふれあいの場として活用した地元と他地域の男女交流活動を行っている。また、『地域資源を生かす親子の自然体験』では親子や高齢者など地域一体となり、多世代で里山、自然などの地域資源を生かしながら、お米を育て、収穫の喜びを感じることなどを通じて、子育て支援活動を実施している。これまでの自然体験活動は180回以上、累計で2,500名以上が参加している。
(イ)選考理由
存続の危機にある棚田の保全と出会いの少ない地域の活性化を図るため、豊富な自然に着目し、都会の若者や親子を招いて自然体験を通じて交流を深めるユニークな活動である。少子化対応に資する事業として評価された。
⑤特定非営利活動法人 NPOサポートセンター N女プロジェクト(代表 杉原 志保氏)(東京都港区在)
(ア)応募活動等の概要
N女プロジェクトは、経済的・精神的に自立した女性たちを増やすため、NPOやNGO、社会的企業で働く女性たち(N女:えぬじょ)が抱える課題を、組織を超えて連携・協働し、事業を通じて解決するプロジェクトである。「N女」を通したソーシャルセクターで働く女性たちの普及啓発、女性に関する課題の解決に向けた取組み、組織基盤の強化等の女性に関する課題の解決を直接支援と中間支援の2本柱で行っている。
(イ)選考理由
ソーシャルセクターで働く女性たちの生き方に光を当て、「N女」という短い言葉で社会に発信したことにより、女性たちに自分らしく社会貢献で生きる選択肢を提示した社会的意義は大きく、評価された。